社会生活で必要となる契約書の知識
社会生活をしていく上で、契約書を交わす場面は多くあります。とくに企業を経営する際や、企業で働く場合には契約書の知識が必要となってきます。契約書とは、企業にとって必要不可欠な書類であり、規模によっては年間で数千から数万件以上も締結されるケースがあります。その1つ1つが契約内容および債権債務の根拠となりますので、不測の事態が起きた際には自社の権利主張の裏付けとなる重要書類となります。
契約書の種類は様々
ひと口に契約書といっても、非常に多くの種類があります。不動産・動産の売買と貸借に関するもの、知的所有権に関するもの、商取引に関するもの、会社運営に関わるものなど、その種類は様々です。契約関係が発生するありとあらゆる場面で、必ず契約書が作成されています。数ある契約書の中で、多くの企業と関わりのある契約書を説明しましょう。
- 人事に欠かせない労働契約書
- 労働契約書は、企業と労働者が労働契約を結ぶ際に作成される契約書です。労働契約自体は、口頭での約束でも成り立ちますが、入社後のトラブルを避けるために労働契約書を作成する企業がほとんどです。なお、企業側が労働者に対しては、決められた雇用条件を明示することが労働基準法によって義務付けられています。企業側は、契約期間、就業する場所、就業時間と休暇、業務内容、賃金、退職に関する事項などを労働者に書面にて伝えなければなりません。
- 情報の取り扱いについて約束する秘密保持契約書
- 秘密保持契約書は、ライセンス契約やM&A、共同開発などを行う際に関連企業間や関係する個人間で交わす契約書です。一般に公開されない企業が独自に持っている秘密情報や公開前の情報を外部に漏えいさせないようにする目的があります。当事者間でやり取りする秘密情報をどのような目的に限って使用するか、どの範囲の人にまで開示するか、秘密を保持する期間はいつかなどの項目を定めます。
このほかにも、業種や企業ごとに数多くの契約書が存在します。契約書の種類によっては、記入方法や捺印の種類まで細かく定められていることもあり、作成する際には注意が必要です。